爺さん、さっぱりしたぞな

今日はな、久しぶりに床屋さんへいってきたわ。

何ヶ月ぶりかのぅ。
歳をとると髪の毛もなかなか、のびんでのぅ。
さっぱりしたわ。

髪の毛は、あんまり無いのじゃがな。
みなは、わしのことをハゲというがのぅ。

横と後ろだけがのびるもんでな。
いつも、落武者のようになってしまうんじゃわ。
わしは、カッコええと思っとるんじゃがな。
婆さんは、みっともないと怒られるでのぅ。

前と上は、ほとんど無い状態じゃよ。想像してみておくれ。

この歳になってもな、髪の毛にはなぜか未練があってのぅ。

テレビとかで、よく１：９分けのバーコード状態の人をみるが、気持ちは痛いほど解かるのぅ。

みんな、寂しいんじゃよ。悲しいんじゃよ。
髪の毛がいとおしいんじゃよ。

以前、知人が中国みやげとかいって、毛生え薬をかってきてのぅ。
喜んで使ったら、頭がかぶれてしもうてな。
昔っから、中国もんはあかんのぅ。

余計にはげてしもうたわ。
いまだに、やつをうらんどる。
三つ子の魂百までじゃわ。

みんなも、髪の毛は大事にせなあかんぞ。

『いつまでも、あると思うな、金と髪』じゃな。

一句できた所で、今日は終りとするか。

じゃあ。またな。

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